マウスピース矯正は前歯だけでもできる?
錦糸町徒歩3分のホワイトデンタルクリニック錦糸町院です。
今回は「マウスピース矯正と前歯の矯正」についてお話しします。
歯列矯正をして、お口の状態を改善したり、見た目のコンプレックスを解消したりと、矯正を積極的に検討される患者さんが増えています。
さて、矯正と聞くと「ワイヤー矯正」がすぐに思い浮かぶと思います。
歯にブラケットという装置を取り付け、そこにワイヤーを通していく方法です。ブラケット装置やワイヤーが銀色で目立つこともあり、見た目の悪さがワイヤー矯正のデメリット部分ともいえます。
「マウスピース矯正」は、半透明なマウスピースを歯に被せるだけなので、ワイヤー矯正の見た目の悪さを解消したことでも、選ばれる矯正方法となっています。
しかし、マウスピースは、歯の上側か下側、どちらか全体、または上下両方で全体の歯に被せるものです。もしも「前歯の出っぱりだけを矯正したい」場合であっても、マウスピース矯正は効果があるのでしょうか。
マウスピース矯正と、前歯の矯正について詳しく解説していきます。
マウスピース矯正とは
歯列矯正といえば、以前からワイヤー矯正が一般的ですし、症例数の多さから今でもほとんどの矯正で選ばれています。
マウスピース矯正は、日本では2006年に「インビザライン」が提供を開始し、徐々に広がってきました。
マウスピース矯正は、スポーツで口内の保護のためにも使われているマウスピースと同様に、歯に被せて使うものです。スポーツ用とは違い厚みは薄く、理想の歯の並びに向けて、マウスピースで歯の動きを誘導して矯正していく仕組みです。
矯正方法の選択肢が広がったわけですが、ワイヤー矯正と比べた時のメリット・デメリットをまとめました。
マウスピース矯正のメリット
- 半透明なマウスピースのため、治療中も見た目が悪くない、気にならない
- マウスピースを外して食事や歯磨きができる
マウスピース矯正の最大のメリットは、ワイヤー矯正で敬遠される「見た目の悪さ」が解消されている点です。
ワイヤーや、装着するブラケットが目立ってしまうために矯正を控える方もいるぐらいです。こうした矯正に対するハードルを下げた、新しい矯正方法といえるでしょう。
マウスピース矯正のデメリット
- 1日20時間以上の装着は自己管理
- マウスピースという形状のため、対応症例が限られる
マウスピース矯正は、1日20時間以上装着しなければ効果が得られません。この時間管理は自己責任になるので、「装着し忘れた」「途中で面倒になった」という状況に陥ると矯正もうまくいきません。
マウスピース矯正は、初回に歯並びを診察し、理想の歯並びまでのマウスピースが一括で制作されます。矯正の完了まで、20枚前後から、多い場合は100枚近くのマウスピースが用意されるのです。そのため、2週間で次のマウスピースに交換等、歯科医師の指導に沿って自分で対応していくことが大切です。
対応症例が少ないため、前歯だけであっても、状態によっては対応できない場合もあります。まずは歯科医師に相談し、マウスピース矯正が可能かどうかも判断してもらいましょう。
目立たないワイヤー矯正もある
前歯だけの矯正はもちろん、幅広い歯並びの矯正ができるワイヤー矯正ですが、治療中の見た目が目立ってしまうのは事実です。その代わりに目立たないマウスピース矯正に人気が集まっているといっても良いでしょう。
ただ、最近ではワイヤーやブラケットを白く加工するなどの工夫も行われています。ホワイトワイヤーと呼ばれ、通常のワイヤー矯正と効果は変わらず、治療中の見た目を改善することができます。
ホワイトワイヤーの取り扱いは歯科医院によりますが、希望があれば歯科医師に伝えてみましょう。
よくある前歯の矯正事例
全体の歯並びではなく、前歯「だけ」が気になる症例も多いものです。
矯正で改善される前歯の事例を紹介していきます。
- 上顎前出
いわゆる「出っ歯」です。
特に前歯が斜めに突き出しているような形で、噛み合わせも悪くなっている状態です。
- 叢生(そうせい)
いわゆる「デコボコ」です。
歯の大きさと、歯が並ぶ顎の大きさとのアンバランスにより、歯が並びきらず何か所かで重なっている状態です。「乱ぐい歯」と呼ばれることもあります。犬歯があとから生えてくるために生じる「八重歯」なども含まれます。
- 切端咬合(せったんこうごう)
上下の歯の先端がちょうど当たる状態です。
上の歯と下の歯の間に本来あるはずのスペースがなく、放っておくと、歯の先が欠けたり磨耗したりする場合があります。
いずれの場合も、歯の状態を見ながら矯正をしていくことで、良い歯並び・良い噛み合わせに改善していけます。
マウスピース矯正で前歯だけの矯正も可能
マウスピース矯正は、前歯だけの矯正も可能です。前歯だけなのに、歯の全体をマウスピースで覆わなければならないことが負担に感じられるかもしれません。
しかし、歯並びはそもそも口内全体のバランスによるものです。歯をひとつ動かせば隣や上下の歯にも影響し、そのまた隣への影響も考えなければならない場合もあります。
マウスピース矯正は対応している症例が少なく、また、抜歯を伴うような矯正には向いていません。先ほどもお伝えしたように、ゆっくりと歯を理想の場所に誘導しながら整えていく仕組みです。
ご自分の歯の状態がマウスピース矯正可能かどうかも、自己判断ではなく、歯科医師に相談していきましょう。良いアドバイス・適切な矯正方法を教えてもらえますよ。
まとめ
マウスピース矯正と前歯の矯正についてお伝えしました。
矯正方法の選択肢が増えたことでコストや期間的な面でも希望が通りやすくなっています。
矯正治療は一生ものです。
治療のスピード、期間だけにこだわらず、それぞれの治療におけるメリット・デメリットなどをよく考え、悔いのない治療を行っていきましょう。