「ホワイトニングをすれば歯が白く見える」と聞きましたが、本当に白くなるわけではないのですか?
錦糸町徒歩3分のホワイトデンタルクリニック錦糸町院です。
今回は「ホワイトニングの仕組み」についてお話しします。
ホワイトニングの効果を説明すると、「歯が白くなって見える」が正しい表現です。
ここで気になるのが「見える」のキーワードであり、
表現的に「白くない歯が白くなったように見える」と受け取れます。
そこで、ここではホワイトニングの仕組みについて例えを交えながら分かりやすく解説していきます。
市販のホワイトニング歯磨き粉との違い
ドラッグストアに行くと、ホワイトニング効果を謳った歯磨き粉が販売されていますね。
ただ、今回お伝えする歯科治療のホワイトニングと市販のホワイトニング歯磨き粉は全くの別物です。
そもそも、歯科治療のホワイトニングで使う薬剤は資格を持つ医師だからこそ取り扱えるもの。
そのため、市販のホワイトニング歯磨き粉に同様の薬剤を含めることはできないのです。
市販のホワイトニング歯磨き粉はホワイトニングの名は冠しているものの、
歯の表面の汚れ・着色などにしか対応できず、変色した象牙質を白く見せる効果は一切ありません。
歯の変色と象牙質
歯が黄ばんでいる人は、一見歯の表面が変色しているように思えますが、実はそうではありません。
歯の表面にはエナメル質、そしてその奥に歯の主体となる象牙質があります。
歯の黄ばみは象牙質の黄ばみであり、つまり歯の表面ではなくその奥が変色しているのです。
エナメル質は無色透明ですから、その奥にある象牙質がそのままうつります。
そのため象牙質が変色している場合、まるで歯全体が黄ばんでいるように見えますが、
実際にはエナメル質の奥にある象牙質が変色している状態なのです。
歯磨きで歯が白くならない理由
これは、上記の「歯の変色=象牙質が変色している」を理解すれば簡単に分かります。
歯磨きで磨けるのは歯の表面のみ、すなわちエナメル質になります。
ただ歯が変色している場合、変色しているのはエナメル質ではなく、その奥にある象牙質ですね。
そのため、いくら歯磨きしても変色した歯は白くならず、
ホワイトニング歯磨き粉で歯を磨いても白くならないのはむしろ当然です。
もっとも、歯の表面の着色の類なら歯磨きすれば汚れを除去できるでしょう。
ホワイトニングの仕組み
では、ここからホワイトニングの仕組みについて説明します。
この説明によって、「ホワイトニングによって歯が白く見える」の意味を理解できると思います。
ホワイトニングで使う薬剤には過酸化水素・過酸化尿素が含まれており、この薬剤で2つの効果が得られます。
効果1. エナメル質を無色透明にする
効果2. エナメル質の構造を角状から柱状に変化させる
「効果1」によってエナメル質は無色透明になり、着色や汚れを綺麗に落とせます。
もっとも、エナメル質はもともと無色透明ですから、
この場合は元の無色透明な状態に戻す…すなわちクリーニング効果が得られると解釈すれば良いでしょう。
キーワードとなるのは「効果2」であり、エナメル質が角ばった形状から丸みを帯びた形状に変化することで、
光が象牙質に届かなくなって乱反射を起こすようになるのです。
そのため変色した象牙質がうつらなくなり、歯が白くなったように見えるのです。
つまり、「エナメル質を構造変化させて光の乱反射を引き起こし、
変色した象牙質をうつらなくさせることで歯を白く見せる」というのがホワイトニングの仕組みです。
実際には歯が白くなったわけではなく白く見える…これが「ホワイトニングは歯を白く見せる」の意味になります。
分かりやすい例え
ホワイトニングの効果がもっと分かりやすく感じるよう、身近なものを例として解説します。
浴室の窓ガラスを想像してみてください。浴室の窓ガラスが透明ガラスだった場合、
外側から浴室の中がうつってしまい、入浴している姿が見えてしまいますね。
ですから、浴室の窓ガラスは曇りガラスになっているのが一般的で、
マスキング効果のあるガラスにすることで浴室をうつらなくさせています。
実は、この仕組みはホワイトニングの仕組みと全く同じ発想によるものです。
「浴室=象牙質」、「浴室の窓ガラス=エナメル質」と置き換えれば、
ホワイトニングの仕組みをよりイメージしやすく、また理解しやすくなると思います。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングの仕組みについてまとめます。
1. 市販のホワイトニング歯磨き粉との違い :歯科治療のホワイトニングで使用する薬剤は含まれていない
2. 歯の変色と象牙質 :変色しているのは歯の表面ではなくその奥にある象牙質
3. 歯磨きで歯が白くならない理由 :歯磨きでは歯の表面しか磨けないため、象牙質の変色に対応できない
4. ホワイトニングの仕組み :薬剤でエナメル質を構造変化させ、光の乱反射を利用して歯を白く見せる
5. 分かりやすい例え :「象牙質=浴室」、「エナメル質=浴室の窓ガラス」に例えるとイメージしやすい
これら5つのことから、ホワイトニングの仕組みについて分かります。
ホワイトニングによって歯の表面のエナメル質は構造が変化、
角ばった形から丸みを帯びた形になることで光の乱反射を引き起こします。
そして、光の乱反射が起こることで奥の象牙質がうつらなくなり、歯が白くなったように見えるのです。
これがホワイトニングの仕組みになります。