おしゃぶりは歯並びに影響するの?やめるべきタイミングはいつ?
錦糸町徒歩1分のホワイトデンタルクリニック錦糸町院です。
今回は「おしゃぶりは歯並びに影響するの?やめるべきタイミングはいつ?
についてお話致します。
はじめに
赤ちゃんが泣き止まないときやぐずっているとき、おしゃぶりはとても頼りになるアイテムですよね。おしゃぶりには、赤ちゃんを安心させて落ち着かせる効果があり、多くのご家庭で利用されています。さらに、吸う動作を通じて鼻呼吸を促進する働きもあるため、口呼吸の予防につながるというメリットもあります。
一方で、おしゃぶりの使い方には注意が必要です。長期間使用し続けると、歯並びに影響を及ぼす可能性があるため、「いつ頃まで使うべきなのか?」という点を意識することが大切です。
今回は、おしゃぶりが歯並びに与える影響や、卒業時期の目安について詳しくお話しします。お子さまの健やかな成長をサポートするために、ぜひ参考にしてください!
おしゃぶりを使うメリット
おしゃぶりを使用しているご家庭からは、「おしゃぶりのおかげで助かった!」という声がよく聞かれます。安眠導入の効果が注目されがちですが、それ以外にもさまざまなメリットがあるんです。今回は、おしゃぶりがもたらす具体的な利点について詳しく見ていきましょう。
安心感を与える効果
おしゃぶりの最大のメリットは、赤ちゃんに安心感をもたらすことです。これは、生まれつき備わっている「吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)」という本能が関係しています。赤ちゃんは吸啜反射によっておしゃぶりを吸うことで落ち着き、ぐずり泣きが減るほか、スムーズな安眠導入にもつながります。これにより、育児の負担が軽減され、親御さんも助かりますね。
鼻呼吸の促進と口周りの発達
おしゃぶりを吸う動作は口周りの筋肉を鍛え、口が開いたままになることを防ぎます。これにより、ホコリやウイルスの侵入を防ぎ、健康的な鼻呼吸の習慣が身につきやすくなります。欧米では、おしゃぶりが鼻呼吸を促すアイテムとしても広く認知されています。
指しゃぶりの防止
おしゃぶりは、指しゃぶりの代わりとしても効果的です。指しゃぶりは衛生面でのリスクがあるだけでなく、やめさせるのが難しい行動ですが、おしゃぶりなら卒業させやすいという利点があります。
おしゃぶりの長期使用が歯並びに与える影響
おしゃぶりが歯並びに与える影響について、不安を感じている親御さんも多いのではないでしょうか。おしゃぶりは赤ちゃんの育児をサポートする一方で、長期間の使用や不適切な使い方によって歯並びや噛み合わせに影響を及ぼすことがあります。しかし、適切に使用すればリスクを抑えることが可能です。
おしゃぶりによる出っ歯のリスク
おしゃぶりを長期間使用すると、前歯が前方に押し出されて出っ歯(上顎前突)になるリスクが高まります。これは、おしゃぶりを吸う力が前歯に圧力をかけるためです。
データで見る影響
日本小児歯科学会の調査によれば、乳臼歯が生え揃う 2歳半~3歳以降 までおしゃぶりを使用していると、噛み合わせの異常が残る可能性があるとされています。ただし、使用期間や頻度、個人差によってリスクは異なります。
リスクを減らすポイント
1歳半までの使用であれば歯並びへの影響は少ないとされています。重要なのは、赤ちゃんの成長に合わせておしゃぶりの使用頻度を徐々に減らし、適切な時期に卒業させることです。
寝るときだけのおしゃぶり使用と歯並び
おしゃぶりを寝るときだけ使用する場合、日中も常用するよりも歯並びへの影響は軽減される傾向があります。ただし、影響が完全になくなるわけではありません。睡眠中もおしゃぶりによる微弱な圧力が歯や骨にかかり続けるため、長期間の使用には注意が必要です。
SIDS予防との関係
アメリカでは、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク軽減策として、就寝時のおしゃぶり使用を推奨する声もあります。しかし、日本小児歯科学会は長期使用による歯並びへの影響を考慮し、2歳半までの卒業 を推奨しています。
適切な使用のために
寝るときだけの使用であっても、2歳を過ぎたら徐々に使用を減らし、最終的には卒業を目指しましょう。これにより、歯並びへの影響を最小限に抑えられます。
おしゃぶりの適切な使用期間とやめ時
おしゃぶりを使うことには多くのメリットがありますが、長期間の使用は赤ちゃんの発達や歯並びに影響を与える可能性もあります。特に「1歳過ぎ」と「2歳」という時期は、おしゃぶりの使用を見直す重要なタイミングです。その理由について詳しく見ていきましょう。
1歳過ぎ:言葉の発達を妨げないために
おしゃぶりを常時使用している場合、1歳を過ぎたら少しずつ使わない時間を増やすことをおすすめします。理由は、言葉の発達を妨げるリスクがあるためです。
1歳頃から、赤ちゃんは言葉を覚え始め、周囲とのやり取りを通じて言語力を育てていきます。しかし、おしゃぶりを頻繁に使っていると、口が塞がった状態が続き、言葉を発する機会が減ってしまうことがあります。これでは、せっかくの発語のタイミングを逃してしまうかもしれません。
そのため、1歳過ぎには少しずつおしゃぶりを使う時間を減らし、自然に言葉を発する環境を整えてあげることが大切です。
2歳まで:かみ合わせが完成する前に卒業を
おしゃぶりを長期間使用することで、かみ合わせに影響が出る可能性もあります。特に「開咬(かいこう)」と呼ばれる上下の歯が噛み合わない状態が見られるケースが増えることが報告されています。
調査結果から見るリスク
1歳6ヶ月から5歳までの子供を対象にした調査では、2歳児のおしゃぶり使用群に開咬が多く見られ、5歳児ではさらにその割合が増加していました。また、別の調査でも、おしゃぶりの使用期間が長くなるほど開咬のリスクが高まることが示されています。
2歳までにやめればリスク軽減
こうしたかみ合わせの問題は、適切な時期におしゃぶりを卒業することで、成長とともに改善される傾向があるとされています。そのため、2歳までにおしゃぶりをやめることが推奨されています。
おしゃぶりのやめ方の工夫
おしゃぶりを卒業させるには、子どもの成長や性格に合わせた方法を選ぶことが大切です。ここでは、実践しやすい5つの方法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
① 少しずつ使用頻度を減らして段階的に卒業する
おしゃぶりの卒業方法として最も基本的なのが、使用頻度を少しずつ減らしていく方法です。ホルダーで服に取り付けている場合は外し、見えない場所に置くなどして、おしゃぶりを目に触れさせない工夫をすると効果的です。
ポイント
おしゃぶりの使用を減らすには、気を逸らすことが重要です。絵本を読んだり、たくさん話しかけたり、一緒に遊んだりして、おしゃぶり以外に興味を向けさせるようにしましょう。
② 日中の運動量を増やして寝つきを良くする
寝かしつけでおしゃぶりを使っている場合、取り上げると眠れなくなる子どももいます。そんなときは、日中の運動量を増やして体を疲れさせ、自然な入眠を促すのがおすすめです。
具体例
公園での外遊びや追いかけっこなど、子どもが体を思いきり動かせる活動を取り入れましょう。体が疲れると、寝つきが良くなり、おしゃぶりに頼らなくても眠れるようになります。
③ 代わりとなるアイテムで安心感を与える
おしゃぶりがやめられない理由の一つに、安心感を求めていることが挙げられます。そのため、代わりとなるアイテムを用意するのも効果的です。
おすすめのアイテム
ぬいぐるみやタオルなど、子どもが気に入りやすいものを選びましょう。手で握れるサイズのものだと、指しゃぶりの代用としても役立ちます。
④ おしゃぶりの先端を切って吸い心地を変える
おしゃぶりをどうしてもやめられない場合は、先端を少しカットして吸い心地を変える方法があります。吸い心地が変わると、子どもが自ら「もういらない」と感じることが多いです。
アプローチ
おしゃぶりの先端を切った後、「壊れちゃったね、バイバイしよう」と説明して処分を促すと、納得してくれることもあります。
⑤ 前もって日にちを伝え、一気に卒業する
断乳と同じように、おしゃぶりをやめる日を決めて一気にやめる方法もあります。事前に「○日になったらおしゃぶりはバイバイだよ」と伝えておき、その日以降は一切使わないようにします。
注意点
この方法では、最初の3日間はぐずりや夜泣きが増える可能性があります。時間や心に余裕がある連休などのタイミングで行うのがおすすめです。
おしゃぶりをやめる方法は、子どもの個性や状況に応じて工夫が必要です。焦らずに取り組み、子どもの成長に合わせた卒業を目指しましょう!
おしゃぶりがやめられないときは専門家に相談を
おしゃぶりをなかなか卒業できないお子様も少なくありません。おしゃぶりは、子どもにとって「精神安定剤」としての役割を果たしていることもあり、無理に取り上げると、指しゃぶりへ移行してしまうケースもあります。
焦らず個々のペースを大切に
子どもの成長や性格は一人ひとり異なります。そのため、「早くやめさせなければ」と焦る必要はありません。子どもの心の準備が整うのを待ちながら、少しずつ使用頻度を減らしていきましょう。
専門家への相談も検討を
どうしてもやめられない場合や、歯並びへの影響が心配な場合は、小児科医や矯正歯科医といった専門家に相談するのも一つの方法です。プロのアドバイスを受けることで、無理なくおしゃぶりを卒業できる方法を見つけられるでしょう。
子どものペースに寄り添いながら、必要に応じて専門家の力を借りることで、スムーズな卒業を目指しましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は、「おしゃぶりの卒業タイミングとやめ方」について解説しました。
おしゃぶりは赤ちゃんの成長を助ける便利なアイテムですが、長期間使用すると歯並びや言葉の発達に影響を与える可能性があります。そのため、1歳を過ぎた頃から少しずつ使用頻度を減らし、2歳までに卒業を目指すことが理想的です。
やめさせる方法は段階的に進めるものから一気にやめるものまでさまざまですが、子どもの性格や状況に合わせて無理のない方法を選ぶことが大切です。また、どうしてもやめられない場合は、小児科や矯正歯科などの専門家に相談するのも一つの方法です。
焦らず、子どものペースに寄り添いながら、おしゃぶり卒業を目指しましょう!