歯周病とは
歯周病は虫歯以上に歯を失う主な原因です
歯周病は、虫歯と比べると一般的な認知度が低いかもしれませんが、実は歯を失う原因として最も多い病気です。歯を失うだけでなく、近年の研究では歯周病が心疾患や呼吸器系疾患、糖尿病の悪化、さらには早産や低体重児出産など、全身の健康に重大な影響を与えることが分かってきています。このように、歯周病は単なる口の中の病気ではなく、命にも関わる可能性のある疾患です。。
歯周病の治療には原因となる細菌を徹底的に除去することが重要です
冒頭で述べたように、歯周病は細菌感染による病気です。このため、原因となる細菌を取り除かない限り、歯周病を根本的に治療することはできません。現在では、保険診療内での治療だけでなく、歯周病治療薬や電解機能水、レーザー治療などを活用し、高い除菌効果を発揮する治療法も行われています。これらの方法により、歯石をしっかりと除去し、破壊された歯周組織の再生を促すことで、歯を失うリスクを低減することが可能です。
歯周病のセルフチェック
以下の症状のうち、3つ以上該当する場合、歯周病が中等度以上に進行している可能性があります。早めに歯科医院での診察をおすすめします。
- 歯肉が赤く腫れている
- 歯と歯の間に物が挟まりやすくなった
- 歯磨きの際に出血しやすい
- 口臭が気になる
- 歯が浮いたような感覚がある
- 歯が少しグラつくことがある
- 歯の表面がザラザラしている
- 歯が以前より長く見える
- 歯肉から膿が出たことがある
歯周病を予防するには
歯周病は一度進行すると治療しても元通りにするのは難しく、溶かされた歯槽骨はなかなか元に戻りません。
このため歯周病対策において最も必要なのは、「どうやって治すか」ではなく「どうやって予防するか」です。
そして、歯周病の予防方法は原因菌である歯周病菌をお口の中に溜め込まないことです。
歯周病菌は歯石や歯垢の中で繁殖しますから、定期的に歯のクリーニングを行うことが予防に効果的です。
歯周病の進行
歯肉炎
軽度歯周病
中度歯周病
そのため、歯周ポケットがだんだんと深くなってきます。
骨が吸収されて下がることから、歯茎が下がって歯根が露出し、冷たいものがしみるなどの症状が出ます。
基本的には定期的なクリーニングと歯磨きで改善を目指しますが、場合によって歯周外科手術が必要なこともあります。
重度歯周病
歯周病と全身疾患の関係
歯周病治療の流れ
歯周病の治療はお口の清潔から始まります
歯周病治療のためのクリーニングの流れ
当院(ホワイトデンタルクリニック錦糸町院 墨田区)のクリーニングの流れは4段階に分けられています。
歯周病によって破壊された歯周組織を再生させるには歯石や歯垢のコントール、言わばプラークコントロールが重要ですから、クリーニング後はメンテナンスも行います。
- 1.口腔状態を確認し、歯周ポケットの深さ、歯肉の腫れ具合、歯のグラつきなどを入念に検査します。
- 2.超音波スケーラーを使用して歯石や歯垢を除去します。歯周ポケット内の歯石や歯垢も除去できます。
- 3.私達専門の器具と研磨剤を使用して、歯全体を丁寧に磨いていきます。
- 4.1ヶ月ほど様子を見た後、歯石や歯垢の付着の傾向を確認して今後のメンテナンスの間隔を決定します。
重度の歯周病の治療の流れ
重度の歯周病の治療の流れは4段階に分けられています。
クリーニングだけで改善が見込めない場合はお薬を使用しての改善を行いますが、歯周病菌といっても原因菌は20種類以上あるため、菌に合わせた対策をしていきます。
1 検査
2 クリーニング
3 PMTC
4 歯周病の再検査
1 カウンセリング
2 検査
3 検査結果
4 お薬の処方
5 クリーニング
6 完成
歯周病は重症化するまで自覚症状はほとんどなく、その点ではむし歯の痛みのような辛さはありません。
しかし、自覚症状がほとんどないということは、自分が歯周病であることに気付く機会がないということにもなるのです。
だからこそ歯周病は進行しやすく、気付いた時には重症化していたというケースが多いのです。
つまり現在歯に痛みや違和感がない方でも、実は歯周病になっている可能性があるのです。
このため、検診やクリーニングなどを受けて日頃から歯周病予防を意識しなければなりません。
よくある質問
Q&A 歯周病に関するよくある質問
- 歯周病の症状として以下が挙げられます:
・歯ぐきの腫れや痛み
・歯ぐきからの出血
・歯周ポケットが深くなる
・歯周ポケットから膿が出る(歯槽膿漏)
・歯がグラグラする
・口臭がする
これらの症状を感じた場合、歯周病である可能性があります。ただし、歯周病は自覚症状がなく進行することが多いため、症状がなくても歯科検診を受けることをおすすめします。また、虫歯になりにくい方ほど歯周病になりやすい傾向もあるため、特に注意が必要です。定期的な歯科受診で診察・検査を受けることが予防の第一歩です。
- 歯周病治療を行う必要があります。歯周病は炎症の範囲により、以下のように分類されます:
歯肉炎:歯ぐきのみに炎症がある状態
歯周炎:炎症が歯槽骨や歯根膜、セメント質にまで及んだ状態
炎症の範囲や骨の吸収の程度により治療法は異なります。具体的な治療方針はお口の状態を診査した上で提案いたしますので、歯科医院での受診をおすすめします。
- プラークは歯や被せ物の表面に付着する、細菌とその生産物の塊です。白色から黄色をした粘着性の物質で、食べ物のカスではありません。このプラークに含まれる細菌が、歯ぐきの炎症を引き起こす主な原因です。プラークはうがいやスプレー洗浄では除去できず、歯ブラシでこすって取り除く必要があります。
また、プラークにカルシウムが沈着すると歯石となります。歯石は歯ブラシでは除去できず、歯科医院での処置が必要になります。
- 歯周病は完治可能ですが、「お口の中が歯周病になる前の状態に戻る」という意味ではありません。歯ぐきを健全な状態に整え、清掃しやすい環境を作ることで再発を防ぐことが目標です。一部では歯を抜いたり、歯ぐきや骨を整える外科治療が必要な場合もありますが、適切な治療で進行を食い止めることができます。
- 歯周病の主な原因であるプラークを除去することが予防の鍵です。効果的な方法は以下の通りです:
・正しい歯磨き習慣を身につける
・歯間ブラシやデンタルフロスを併用する
・定期的に歯科医院でクリーニングを受ける
詰め物や被せ物の適合を確認し、不具合があれば修正する 歯科医院での歯磨き指導を受けることで、より効果的なケアを行えます。また、定期検診を通じて歯石を除去し、歯周病の進行を防ぐことも重要です。
- 多くの場合、歯磨き時の出血は歯周病によるものです。その他の原因として、硬い歯ブラシで強く磨いたり、全身疾患や薬の影響が考えられます。歯周病が原因の場合、早期に治療を受けることで進行を防ぐことができます。
- 歯茎からの出血は、歯周病である可能性が高いです。炎症が進行すると出血だけでなく、他の症状も現れることがあります。早めに歯科医院で相談することをおすすめします。
- 口臭は歯周病の典型的な症状の一つです。口臭の原因は生理的なものや飲食物、喫煙の影響による場合もありますが、病的口臭の場合、歯周病や虫歯が関与している可能性が高いです。定期的な歯科受診で原因を特定し、適切なケアを行いましょう。
- 歯のグラつきは、進行した歯周病である可能性があります。歯を支える骨が溶けることで支えが弱まり、歯が動きやすくなるのです。症状が重い場合には抜歯が必要なケースもありますが、骨再生治療や外科処置を行うことで歯を保存できる場合もあります。早めに診察を受けて適切な治療を開始することが重要です。
- 歯石を除去しても、適切な歯磨きを怠ると再発のリスクがあります。歯周病が進行している場合、歯石除去だけでなく歯周ポケットの改善や骨の吸収を防ぐ治療が必要になることもあります。定期的な歯科検診で予防ケアを受けることが再発を防ぐ鍵となります。